アロマと聞くと西洋の香りを思い浮かべるのが一般的ですが、和のアロマが全国に広がりを見せているのを知っていますか。精油としての歴史は浅いですが、古くから私達の生活に密着してきた安らぐ香りが精油として新たな魅力を発信してくれています。今回は使った人からクセになる。和のアロマの特徴や魅力について紹介していきたいと思います。
和精油(和のアロマ)とは?
日本国内で育つ植物の芳香成分をこだわりの方法で抽出した精油のこと。ハーブ系、花系、樹木系、果皮系と大きく4つに分類でき、身近な所ではヒノキ、ユズ、ヨモギ、ヒバなど日本人にとって馴染み深いものです。
和精油の歴史は浅く国内での生産者は限られていました。しかし近年日本各地で大切に育てた植物を元に生産されるようになっていったのです。
精油としての歴史は浅くともこれらの香りは私達の歴史そのものであり、生活に密着した、なくてはならない存在のものばかりでした。
なぜ和精油が今和精油が注目されているの?
正直ラベンダーやネロリ、ローズウッドなど精油の名前だけ聞いても香りのイメージはできないですよね。それは私達が自然に生活の中で体験できる香りではなかったからです。アロマ従事者でも西洋の香りは馴染みが無いので最初は嗅いで脳にインプットします。
いくらアロマが体にいいとはわかってても馴染みのない香りは受け付けない。そういう方もいると思います。いい香りです!と言われてもそれには個人差も大きく関係してきますし、その日の体調にも影響します。香りって奥が深いですよね。
ずっと日本人の暮らしに身近だったヒノキやユズは海外産にはない細胞レベルで癒されるものなのです。
和精油はどんな人におすすめ?
和の精油を使うことで癒されるべき人とは一体どのような人でしょうか。
お年寄り
年齢が上がれば上がるほど日本古来の香り、例えばハッカやヒバ、スギやユズなどの香りは海外製にはない遺伝子レベルでの安心感があります。思わず深呼吸したくなるような安らぎを覚える香りと言うのが和のアロマには揃っているのが特徴です。
認知症予防に効果のあるとされるラベンダーやオレンジスイートにほんの少量柑橘系のユズを足すだけで和の雰囲気が加わりお年寄りにもなじみのある香りに近づきます。
男性のアロマ初心者
先日、アロマショップ専門店で男性がアロマオイルをどれにしようか迷っていたのですが店員さんが和の精油を紹介している姿を見かけました。
アロマをこれから始める方に和アロマはおすすめ。『あ、この香り嗅いだことある!』『この香りは好き』と感じた物だけを選ぶことは案外理に適っていて、嗅ぎたい香りは今の体調に必要な香りであることが多いのです。
アロマの参考書などに載っているレシピ通りにアロマを揃えるのももちろんOKではありますが、男性にはもっとワイルドに本能で精油を選ぶと言う事を楽しんでもらいたいと思います。1つだけでもいいので和精油を揃えておくと香りをうまくまとめてくれる役割を担ってくれるのでブレンドの幅が広がります。
代表的な和精油を4つ紹介
和のアロマは1滴入れるだけで思わず深呼吸をしたくなるような奥行きのある香りが楽しめるのが特徴。中でも人気の和精油を4つ紹介します。
ヒノキ
ヒノキと言えば檜風呂を想像する方も多いのでは。希釈してお風呂に加えれば即席檜風呂の完成。温かみのある香りがリラックス効果を高めてくれたり疲労回復を促してくれる効果が期待できます。
また安眠効果があるので寝る前にゆっくり檜の精油風呂で疲れを取ると言うのもおすすめの使い方です。
ユズ
ユズの精油はとても取り入れやすい日本人に最も好まれる和精油の1つです。柑橘系アロマならではの不安感や緊張感を取り除いてくれる効果が期待でき手早くリラックスしたい方におすすめ。主成分である『リモネン』には血流をよくする働きがあるのでデスクワークの多い方などの芳香浴におすすめします。
※柑橘系の精油全般に言える事ですが光毒性があるので精油が皮膚に付いた状態で日光にあたることは避けましょう。シミや皮膚刺激を感じる場合があります。
スギ
スギの精油はスギの葉から抽出される香りで、まるで森林にいるかのような清々しい香りが魅力。ホルムアルデヒドを除去してくれる働きもあり、花粉症を軽減してくれる効果もあります。スギ花粉で苦しんでいるのにスギの精油が効くの?と心配になる方もいるかもしれませんが、コーチゾン様作用があるスギは抗アレルギーに効果があるからです。
クスノキ
神社にはクスノキが御神木として祀られているように身近な木でもあり、日本古来からその効能に気づき広く活用されてきました。クスノキから抽出できる樟脳は箪笥の防虫剤、湿布剤などなくてはならないものでした。鼻がスーっとするような香りは虫よけ以外にも集中力を高めたい場合におすすめ。
※但し、妊娠中、乳幼児、てんかん、高血圧の方は避けましょう。
まとめ
今回和のアロマ、和精油を紹介してきましたが、ここに紹介した精油はほんの一部。日本国内で規模は小さいながらもこだわりをもった生産者達が、安心できる精油を骨の折れる作業で作っています。これから国内外でもっともっと和アロマの研究が盛んになれば需要は世界中に広まり効能が確固たるものになっていくでしょう。
日本各地の和精油の生産者に会いに行き、芳香成分の抽出体験などもできるところもあるので興味のある方はいかがでしょうか。瓶詰される前の香りはそれだけでパワーをもらえます。