天然の香りを楽しみながら、身体や心にもたらす作用も期待できるのが、精油を使った香水です。香りが強い市販の香水が苦手な方にもおすすめです。お好きな精油を選んで混ぜるだけで簡単に出来上がり、外出先でも手軽にアロマをまとえるのが魅力です。香りをまといながらアロマテラピーを楽しめます。ホホバ油、みつろう、無水エタノールなど使う基材によって、香りの立ち方や持続時間が変わってきます。
Contents
【精油の選び方と精油の濃度】
香水を作る前に、まずはどの精油を使うか選びましょう。他のアロマクラフトに比べて香水は香りのバランスをとるのが難しいので、これからご紹介する方法で精油を選んでみましょう。
【精油の選び方】
精油は2つ以上をブレンドしてみましょう。単品で使うよりも絶妙な香りのハーモニーが生まれ、精油の作用としても相乗効果が期待できます。特に精神面への作用を期待するときは、好みの香りを加えて心地よいと感じられる香りにしましょう。
①まずは、作りたい香りをイメージしましょう。そのイメージをノートなどにメモし、イメージに合うメインの精油の候補を5種類ほど選びます。
②次に、ムエットと呼ばれる試香紙を準備します。(画用紙を短冊状に切ったもので代用できます。)ムエットに①で選んだ精油を1滴ずつ垂らします。
③精油を垂らしたムエットを扇状にして鼻の前で手に持ち、軽く振って香りを嗅ぎます。
④イメージした香りかどうか確認し、①で選んだ精油以外もムエットに垂らして加えたり除いたりして、香りを調節します。
⑤思い描いた香りができたら、選んだ精油の瓶を手元に用意し、ムエットの香りを確認しながらそれぞれの精油の滴数を決めてノートにメモしていきます。
【精油のブレンド比率】
精油をブレンドする際は、精油の揮発度を考慮し、揮発が速いものと遅いものをバランスよく配合するのがコツです。最初に香りが立ち上がるのがトップノートで、インパクトを与える香りになります。その後徐々にミドルノートとベースノートが立ち上がってくることで香りが変わっていきます。
トップ:ミドル:ベース=2:2:1を目安にしましょう。
トップノート | オレンジ、グレープフルーツ、ジュニパー、ティーツリー、ペパーミント、ベルガモット、ユーカリ、ラベンダー、レモン、ローズマリーなど |
ミドルノート | イランイラン、カモミール、クラリセージ、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、プチグレン、マージョラム、ローズオットーなど |
ベースノート | サンダルウッド、シダーウッド、パチュリー、ヒノキ、フランキンセンス、ベチバー、ベンゾイン、ミルラなど |
【エタノールと精油の濃度】
精油を使った香水には複数のタイプがあり、それぞれ香りの強さが違います。例えばオーデコロンと香水はどちらも無水エタノールを使用しますが、その割合が違うのです。
オーデコロン | エタノール濃度は10~30%、精油濃度は基材の量の2~10% |
香水 | エタノール濃度は60~90%、精油濃度は15~25% |
練り香 | 精油濃度は5~10% |
パウダーフレグランス | 精油濃度は2~5% |
【精油を使った香水の作り方】
ここからは、精油を使った香水の作り方をご紹介していきます。精油の濃度や使う基材別に、基本のオーデコロンかたパウダーフレグランスまで、4タイプのレシピをご紹介します。
【基本のオーデコロン】
精油を使っているので、軽やかなイメージのオーデコロンに仕上がります。季節や気分によって精油を使い分けるのも良いですね。
材料
お好みの精油数種 | 15~20滴 |
無水エタノール | 10ml |
精製水 | 20ml |
ガラス製ボトル容器(30ml) | 1つ |
作り方
①ボトル容器に、無水エタノールを入れます。
②精油を加え、希釈します。
③精製水を加え、よく振って完成です。
※保存期間は約2ヶ月
※軽い香りの柑橘系、ハーブ、樹木の葉の精油をブレンドするのがおすすめです。
【基本の香水】
アロマ香水は市販のものと違い、強い香りには仕上がりませんが、数種類の精油を組み合わせることによって奥深い香りを作り出すことができます。
材料
好みの精油数種 | 20~40滴 |
無水エタノール | 8ml |
精製水 | 2ml |
ガラス製ボトル容器(10ml) | 1つ |
作り方
①ボトル容器に、無水エタノールを入れます。
②精油を加え、希釈します。
③精製水を加え、よく振って完成です。
※軽い香りだけでなく、花、樹脂、木の精油など重厚なものをバランスよくブレンドしてみましょう。基材をホホバ油にすると香り立ちが変わります。
※保存期間は約2ヶ月
【基本の練り香】
みつろうを使った、塗るタイプのフレグランスです。胸元にほんの少し塗って、香りを楽しみましょう。
材料
好みの精油数種 | 15~20滴 |
みつろう | 3g |
ホホバ油 | 12ml |
クリーム容器(20g) | 1つ |
鍋、耐熱性ガラスボウル、竹串 | 1つずつ |
作り方
①鍋に湯を沸かし、耐熱性ガラスボウルにみつろうとホホバ油を入れ、湯煎して溶かします。
②①をクリーム容器に入れます。
③②の表面にうっすらと膜ができ、ふちの部分が固まりはじめたら精油を加え、竹串でよくかき混ぜます。
④ある程度混ぜたら、容器ごと机にトントンと打ち付けて練り香の中に入った空気を抜きます。
⑤完全に練り香が冷めたのを確認してからふたを閉めます。
※保存期間は約2ヶ月
【基本のパウダーフレグランス】
パウダーに香りをつければ、夏場のシャワーのあとや汗をかいた肌に好きな香りを纏うことができます。汗ばむ季節に活躍し、蒸れやすい足のケアにも使えます。
材料
お好みの精油 | 12~15滴 |
カオリン | 大さじ1 |
コーンスターチ | 大さじ1 |
ボトル容器orパウダー容器 | 1つ |
作り方
①カオリンとコーンスターチを容器に入れ、精油を加えます。
②よく混ぜ合わせれば完成です。
※保存期間は約2ヶ月
【まとめ】
手作りの香水なら、自分の好きな香りを纏いながらアロマテラピーができます。どのレシピでも簡単に作ることができるので、是非試してみてください。